【mixi転載】『野獣狩り』は観る価値アリ

投稿者: | 2008/04/15

君塚良一Wさんが「脚本通りにはいかない」で、まっさきに語っている、
野獣狩りW』をようやく観ました。確かにコレは『踊る大捜査線W』の原型ですね。

『野獣狩り』(須川栄三/1973)

突進型の主人公の刑事が、藤岡弘W織田裕二W
無骨な老刑事が、伴淳三郎Wいかりや長介W
警察機構の中で、上司との軋轢が展開してゆく。

とにかく、これがデビュー作になる、木村大作Wのカメラがスゴイ!!
(『八甲田山 (映画)W』『復活の日W』や、『用心棒W』の手首のフォーカスで有名)
昔、渋谷のユーロスペースWで、撮影監督の高間賢治Wさんが
「撮影監督講座」なる上映と講演のイベントをやっていて、木村大作さんの回に、
木村さんが「最近、仙元誠三Wの手持ちがスゴイって言われてるけど、
オレの方が先だし、ずっと上手いぜ」と言っていたのは納得だ。

パトカーのパトランプ越しに走る主観ショットを撮っていて、そのまま、
ビルから垂れ下がる、悪者の犯行声明の垂れ幕にパン!!
(車の天井に乗って、手持ちかよ!!)

主人公が運転する姿を、主人公の右側から撮っている!!
(右ハンドルの右側って、カメラはどこにいるんだよ!!)
そのあと、カメラは走る、右前のタイヤにパンする!!

手持ちが6割くらいあるけど、躍動感があり安定している。
フィックスのショットも的確。のちの『誘拐 (映画)W』はこれの焼き直しに過ぎない。

とにかく、路地裏の追っかけの描写の豊かさは特筆に値する。

私は『踊る大捜査線』は劇場版2本を映画館でしか観ていないけれど、
『野獣狩り』にあって、『踊る大捜査線 THE MOVIEW』に無いのは、
主人公と悪役の、同質性だ。主人公は、悪役を自分と同じ人間だと見ている。
椿三十郎Wの、三十郎が室戸半兵衛を見る関係性ですね)
自分を重ね、犯人の感情に同化する部分もあるがゆえに起こる葛藤。
この映画は、そこを目指しているから、活劇でありながらも、強い印象を残す。

これがプログラムピクチャーWの2本立ての1本なんだもんなあ〜。
大傑作では無いし、カルトにもなり得ないけど、プロの仕事を堪能しました。