2022年のお気に入り映画 3本

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もう映画館は、大スクリーンで観たい時のためだけになってしまった。せっかく観に行っても、当たりはなく、どんどん足が遠のいている。お気に入りは、あとから、Amazon PrimeNetflix で観たものばかり。もう年間BESTとか言わず、旧作も新作も同じようにとらえる時代なのだろう。


NOPE/ノープ(監督:ジョーダン・ピール)

NOPE/ノープ(監督:ジョーダン・ピール)

違うジャンルにズレてゆく作品がいろいろあるなかで、これは私の好みに合っていた。撮影の ホイテ・ヴァン・ホイテマ が、独特のビジュアルを創りだしていて、静けさとワイド感が素晴らしい。“ソレ”の造形もキュート!!

ドント・ウォーリー・ダーリン(監督:オリヴィア・ワイルド)

ドント・ウォーリー・ダーリン(監督:オリヴィア・ワイルド)

やろうとしているビジュアルが特殊なモノを見せようと知恵をしぼっている。バスビー・バークレー風や、50年代の家やファッション、ロケ地の選定など、撮影と美術の共同作業が素晴らしい。テーマを普遍的かつ尖ったものにしようとした単純化や、前衛的な編集も、面白い。

イニシェリン島の精霊(監督:マーティン・マクドナー)

イニシェリン島の精霊(監督:マーティン・マクドナー)

信念と不寛容がズレを生み出し、それが変化することもなく共依存の関係のまま、しあわせなのか不幸なのかもわからず、世界の社会の縮図でもあり個人と個人の関係でもある。ミッドポイントから一気に深い考察の物語に急転する。


ポール・ワイツ(Paul Weitz)

2022年後半のマイブームは、ポール・ワイツPaul Weitz)。たまたま観た『ビーイング・フリン(エグザイル)』に引っかかってしまい、他の作品群を観たのだが、佳作が多い。

ポール・ワイツ(Paul Weitz)
2015監督・脚本愛しのグランマ
2012監督・脚本ビーイング・フリン(エグザイル)
2010監督ミート・ザ・ペアレンツ3
2004監督・脚本イン・グッド・カンパニー
2002共同監督・共同脚本アバウト・ア・ボーイ
1999監督アメリカン・パイ

ウィリアム・ゴールデンバーグ(William Goldenberg)

今まで、編集者で映画を観るということは無かった。先日『イミテーション・ゲーム』を観直して、編集の構成に唸った。編集者は、ウィリアム・ゴールデンバーグ。私の好きな『アルゴ』も編集していて、続けて観た『コンカッション』も素晴らしい。ベン・アフレック監督やキャスリン・ビグロー監督、マイケル・マン監督と組んでいる。

Wikipediaには、“List of film director and editor collaborations”という項目があった。

2023編集AIR/エア監督:ベン・アフレック
2022編集The Outfit監督・脚本:グレアム・ムーア
2020編集この茫漠たる荒野で監督:ポール・グリーングラス
2019共同編集6アンダーグラウンド監督:マイケル・ベイ
2018編集7月22日監督:ポール・グリーングラス
2018共同編集オーシャンズ8監督:ゲイリー・ロス
2017編集デトロイト監督:キャスリン・ビグロー
2016編集夜に生きる監督:ベン・アフレック
2015編集コンカッション監督:ピーター・ランデズマン
2014共同編集不屈の男 アンブロークン監督:アンジェリーナ・ジョリー
2014編集イミテーション・ゲーム監督:モルテン・ティルドゥム
2014共同編集トランスフォーマー/ロストエイジ監督:マイケル・ベイ
2012共同編集ゼロ・ダーク・サーティ監督:キャスリン・ビグロー
2012編集アルゴ監督:ベン・アフレック
2011共同編集トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン監督:マイケル・ベイ
2007編集ゴーン・ベイビー・ゴーン監督:ベン・アフレック
2006共同編集マイアミ・バイス監督:マイケル・マン
2003編集シービスケット監督:ゲイリー・ロス
1999共同編集インサイダー監督:マイケル・マン
1998編集カラー・オブ・ハート監督:ゲイリー・ロス
1995共同編集ヒート監督:マイケル・マン

昔、撮影所では “編集" は権力を持ち、作品に対して “追撮" の指示を出していた。映画会社の色は、編集者の色とも言える。編集が終わらない限り、撮影は終わっていない。最終的な仕上げを管理する者として、編集者の検閲は必要なのではないか。(90年代のノンリニア時代初期の編集が、ひたすら冗長だったのは、監督に編集が従いすぎていたように思う。監督のためのオペレーターになっていた)

その意味で、同時録音ばかりになってしまったのも、問題だと思っている。音を優先せず、画を中心に編集すべきだ。映画は基本、“アフレコ” なのではないか? ハリウッド映画は、基本 “アフレコ” だ。吹替版を制作するためには、効果音トラックと台詞トラックは、別でなければならないのだから。