映画はラストに向って走る
『4分間のピアニスト』が傑作だった。
ちょっと不自然に感じていた描写が、見事ラストショットに結実した。
「映画はラストに向かって走る」
自分の好きな作品群を思い返してみる。
『帰らざる日々』『サード』共にラストショットですら走っている。
『疑惑』『戦場のメリークリスマス』『キッズ・リターン』
ラストショットの顔こそが映画で描いた主人公の生きざまだ。
今、ラストシーンに向かって走っていない作品がどんなに多いことか。
テーマというものを感違いしているのだと思う。
全篇をどう走るかがテーマだ。
最後のワンショット。そのワンショットで作品の全貌が象徴される。
何を表現したいのかが明確な物語は強い。