2009年映画ベスト
思い返して、私にとって、停滞の一年でした。ひたすら足踏みで進展が無く、底を這いずっている感がある。
その反動か、映画に勇気づけられることが多かったデス。
今年に観た映画は、クオリティが高く、映画の復興を感じたナ。
2009の映画ベスト
1) レスラー(ダーレン・アロノフスキー)
メソッド・アクティングの最良の例。
ハリウッドのアメリカン・ニューシネマは、メソッドと共に映画を変えたが、あの時代さえも達成できなかった、現実とフィクションの融合が、この作品にはある。しかも、シンプルかつ自然なところが素晴らしい。
2) スラムドッグ$ミリオネア(ダニー・ボイル)
童貞少年の青臭い、いちずな恋。
ミリオネアのサスペンスかと思いきや、中盤からどんどんラブストーリーへと加速してゆく。
アカデミー賞は、映像と音楽に与えられたのだと思う。
被写体たちのパワフルさに加え、音楽の豊かさは特筆に値する。
3) グラン・トリノ(クリント・イーストウッド)
ノンスターの小さな小さな映画。
これだけで映画として成立させてしまう監督の力量に感服するが、でもね、イーストウッド主演だから成立するわけで、実はズルイ!!
4) 母なる証明(ポン・ジュノ)
久々に、映画だなあ〜と感じさせてくれた。
人を描くことがドラマであって、観客を楽しませることよりも、生き様が描かれている作品に、私は、より魅力を感じる。シリアスだが、突き抜けた力がある。
5) ディア・ドクター(西川美和)
1作ごとに技巧を加え、力を増してゆく監督に拍手!!
『ディアドクター』『劒岳 点の記(木村大作)』『愛のむきだし(園子温)』と、例年、「今年も1本も無いよ〜」とボヤいていた日本映画に、今年は、刺激的な出会いがあって、嬉しかった。