2018映画BEST/ネットシネマと戯曲に傾倒
2018年の好きな映画を選んでみて、自分は、作品で何が描かれているかの “好み” を重視していることがわかった。“つくる” とか “信念” とか “守るべきもの” とか “救い” とか “無念” とかだ。
1. ブリグズビー・ベア
![『ブリグズビー・ベア』 監督:デイヴ・マッカリー](https://acting.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/04/brigsby-1024x426.jpg)
映画が人を救う話に弱い。映画をつくることで人が救われてゆく映画には、もっと弱い。なのでこれがベスト1だ。作り手は、つくらねばならないその人個人の理由を秘めているものだから。
2. パッドマン 5億人の女性を救った男
![『パッドマン 5億人の女性を救った男』 監督:R・バールキ(インド)](https://acting.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/04/padman.jpg)
妻を救うことが、人民を救うことに拡大してゆく、物語のスケールが素晴らしい。その上で、この作品の最大の魅力は、主人公のキャラクターである。人物の魅力で押してゆく。
3. 判決、ふたつの希望
![『判決、ふたつの希望』 監督:ジアド・ドゥエイリ(レバノン)](https://acting.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/04/insult-1024x432.jpg)
物語が評論や論文と違うのは、結論が出せないものを扱えることだと思う。矛盾を、つかみきれないものをそのまま提示する。厳しさは誠実さから生まれている。
4. スリー・ビルボード(Three Billboards Outside Ebbing, Missouri)
![『スリー・ビルボード』 監督&脚本:マーティン・マクドナー](https://acting.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/04/3billboards-1024x429.jpg)
最初に観たときは、「何故そこをドラマにしない!!」とイライラしながら観た。なので、評価は低かった。しかし後々考えてみると、この作品の言いたいことは、“そこ” ではない。本来の狙いに沿って見直したら、ひじょうに良くできた構成だった。“そこをドラマにしない” ことが “狙い” だったのだ。
5. モリーズ・ゲーム
![『モリーズ・ゲーム』 監督&脚本:アーロン・ソーキン](https://acting.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/04/molly-1024x428.jpg)
ヒジョーにベタな組み方をしているのだが、さすがアーロン・ソーキンだけに、上手い。これも最初は、台詞が多くて長いなあ〜と、あまり印象は良くなかったのだが、あれ? この作品の隠された主人公の意志は “ここ” かも、と発見したら、俄然評価が上がった。
6. アナイアレイション 全滅領域(Annihilation)
![『アナイアレイション -全滅領域-』 監督&脚本:アレックス・ガーランド](https://acting.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/04/annihalation-1024x428.jpg)
挑戦している作品だと思う。興行的には地味な着地点の作品だが、それを固持した製作のスコット・ルーディンに賛辞を惜しまない。
7. 500ページの夢の束(Please Stand By)
![『500ページの夢の束』 監督:ベン・リューイン](https://acting.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/04/stand_by.jpg)
自閉症の女性が、脚本コンクールに直接持ち込みするために、一人で旅に出る。ダコタ・ファニングが素晴らしい!!
2018年は、Netflix と Amazon VIDEO で観たものが多かった。
戯曲をいろいろ読んだせいで、劇作家がシナリオを書いた作品を観る機会が多く、その単純化されていない味わいに魅せられた。