影絵プロジェクト2021@読書の森

演劇小諸市,読書の森

撮影日

2021年 10月 30日(土) 開演:17:30~

東京造形大学大学院 Hachioji影絵プロジェクト の皆さんが、長野県小諸市の「茶房・読書の森」に、影絵の公演にいらっしゃいました。(暗いので、ほとんどシャッタースピード1秒で撮っています。ブレていてスミマセン)

このところ急に寒くなり、山には薄雪が降り、標高の高いところでは朝0°まで下がる昨今。今日は秋晴れで、雲1つ無く、御牧ヶ原の木々も紅葉が始まっています。夕陽に浅間山も映えています。

影絵プロジェクト2021@読書の森(読書の森 外観)

ここ、小諸市 御牧ヶ原(みまきがはら)で、ゲストハウスと茶房を営む「読書の森」。その脇に拡がる「茨海(ばらうみ)小学校跡地」と呼ばれる広場で、公演がおこなわれます。

影絵プロジェクト2021@読書の森(客席から)

タイトルは『氷風穴天狗森(こおり ふうけつ てんぐ もり)』。ここの近くの「(こおり)」という集落にある、「風穴(ふうけつ)」と呼ばれる「風を使った天然の冷蔵庫」、その「氷風穴」を物語のモチーフにしています。(氷地区からも地元のかたがたが、観賞にいらしていました)

影絵プロジェクト2021@読書の森(裏からの投影)

白布を吊り下げ、後ろから投影します。大学院生のかたがたが持っているのが、「風呂」と呼ばれる「幻燈機」。写真がフィルムだった時代の、スライドプロジェクターに似ています。光源とレンズがあって、その間に、ステンドグラスやポジフィルムのような光を透過させる素材で作った絵を入れて、幕に映す。右側に、近くにある重要文化財「布引観音 観音堂」の絵が鮮やかに映し出されています。

影絵プロジェクト2021@読書の森(裏からの投影)

幻燈機」は各自が持っているので、縦横無尽に動きます。近づいたり遠ざかったりで、大きくしたり小さくしたり。レンズを使って、ピントを合わせたりボカしたり。光の重なり合いも美しいです。江戸の昔は光源にオイルランプを使っていたようですが、現在のこの公演では、LEDライト。この「幻燈機」は、資料として残っている昔のモノを採寸してつくった、木製のハンドメイドです。

影絵プロジェクト2021@読書の森(裏からの投影)

映写する絵は「種板(たねいた)」と呼ばれています。大学院生が各自、思い思いに描いているので、絵柄にバラエティーがあって楽しいです。少しテレビアニメ的なテイストかもしれませんが、それが浮世絵的で、もしかしたら江戸時代に近いのかもしれません。

影絵プロジェクト2021@読書の森(影絵)
影絵プロジェクト2021@読書の森(幕裏の演者)

いくつもの「種板」を何人かで投影して、1枚の画面になります。組み合わせて動くことから、アニメーションの原形とも言われています。即興で移動し操作してゆく動きは、映像よりもむしろ演劇的でした。江戸・明治・大正と、映画が日本に入ってくるまで、歌舞伎・浄瑠璃・落語などのお話を題材に、興行がおこなわれていたと云うことです。このプロジェクトでは「影絵」と呼んでいますが、当時は「写し絵」と言われ、1800年ごろから始まったそうです。

影絵プロジェクト2021@読書の森(音楽:BOB)

劇の進行に合わせ、音楽も即興の生演奏です。打楽器や民族楽器に、DTMの機材を混ぜて、おひとりでガンバリます。今回の演奏は、BOBさんです。

影絵プロジェクト2021@読書の森(幻灯機を試す観客たち)

終演後には、観客の皆さんが集まって「幻燈機」の体験会がおこなわれました。演者のかたや先生がたへ、さまざまな質問が飛びます。「幻燈機」は軽くて、取り回ししやすいです。レンズの部分が前後に動かせるのですが、動きながらのピント合わせが難しいそう。

影絵プロジェクト2021@読書の森(幻灯機)

原初的でありながらも不可思議で、それが真っ暗な屋外でおこなわれる、なかなか観ることのできない『写し絵』は、貴重な体験でした。「読書の森」での上演は今回で3回目。大学院のプロジェクトとして、毎年、人が変わりながら続いてゆくはずです。私は去年に続いて2回目なのですが、物語も進化し、工夫が積み重なって、成長を感じました。「読書の森」での定期公演として、多くのかたに体験していただきたいです。

2021年度影絵公演『氷風穴天狗森』

東京造形大学大学院 Hachioji影絵プロジェクト
2021年10月30日(土)
開場:17時00分/開演:17時30分
会場:茶房・読書の森
授業担当:中里和人・首藤幹夫・中野純

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